つるつるとのど越しがよく、しかも弾力がある歯ざわり。
しみじみとおいしいうどんです。
なめらかな食感で、あっさりした味わいの麺なので、いろいろな食材と取り合わせても、おいしくいただけます。
日本の豊かな食文化、伝統を感じられる逸品です。
(本文より)
日本三大うどん、という呼称をご存じですか? どの地域のうどんが入るのかは諸説あるようですが、そのなかでも必ずといっていいほど選ばれているのが、香川県の讃岐うどん、そして今回ご紹介する、秋田県の稲庭うどんです。
“うどん文化圏”とされる関西にお住まいの藤岡さんによる「日本の極み 秋田県 延寿庵稲庭手延うどん」のレポート、楽しみですね!
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私の住む関西は、“うどん文化圏”といわれています。そのせいか子どもの頃からうどんが好きです。最近では関西でも、東北や四国などいろいろな地域のうどんが食べられるようになり、折りにふれて楽しんでいます。
この度は、日本三大うどんの一つとして知られる稲庭うどんの乾麺を試食するチャンスをいただきました。うどん屋さんで食べたことはあっても、自宅で調理したことはないので、ワクワクしています。
丁寧に梱包され届いた箱が、思った以上に大きくて驚きました。
うどんが描かれた木箱を開けると、稲庭うどんが並んでいます。長いので、縦に入っているのですね。こんなに長い乾麺は見たことがありません。
稲庭うどんは秋田県湯沢市で作られています。全国に知られる、いわゆるブランドうどんだけに、その製法などには厳しい基準があるとのこと。
この「延寿庵」の稲庭うどんも伝統的な製法を守っています。ベルギーのブリュッセルに本部を置き、食品のミシュランと呼ばれる国際味覚審査機構・iTQiで優秀味覚賞に7年連続で選ばれたこともあるとか。
たっぷりのお湯を沸かし、麺を入れます。麺の長さは35センチくらいあるので、半分に折って。火の通りがよいので、3分ほどでゆで上がりました。手延べ製法で作られ、細くて繊細な麺です。1束で1.5人分くらいありそうです。
早速いただいてみると、つるつるとのど越しがよく、しかも弾力がある歯ざわり。
稲庭うどんは、平たい形状で打ち粉としてでん粉を使うのが特徴だとか。「延寿庵」では、北海道産の小麦粉を100%使っています。確かな味は、こだわりの材料と伝統的な製法に裏打ちされているのですね。
しみじみとおいしいうどんです。うどんつゆをかけて、シンプルに鰹節をかけてもいただいてみると、素朴でありながらも、豊かな味が感じられます。
なめらかな食感で、あっさりした味わいの麺なので、いろいろな食材と取り合わせても、おいしくいただけます。よく冷やしてみましたが、細い麺が食べやすく、うどんつゆもよく絡みます。手延べうどんならではの繊細な手仕事の技が伝わってきます。
温かいかけうどんにしてもコシがあり、おいしくいただけます。
やさしくほっとする味わいは、お子さまや年配の方にもおすすめです。
いろいろな食べ方が楽しめる、「日本の極み 秋田県 延寿庵稲庭手延うどん」。
日本の豊かな食文化、伝統を感じられる逸品です。ご進物にも最適、乾麺なので保存ができ、重宝されると思います。
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手延べ製法で作られる稲庭うどんは、かつては秋田藩主に献上された門外不出の高級品だったそう。そんな歴史ある稲庭うどんを手軽に食べることができるのはうれしいですね。暑い季節につるりと食べられる「日本の極み 秋田県 延寿庵稲庭手延うどん」、贈り物にはもちろん、ぜひ一度召し上がってみてください。
藤岡智子
フードライター&栄養士。情報誌、グルメ雑誌のライターとしてレストラン、カフェなど500店舗以上の飲食店取材を経験。栄養士の資格を生かし、食育・栄養関連の記事の執筆、レシピ提案・調理などもおこなっている。