まずは香りから。上品で、清涼感のある華やかさ!
ひと口、ゆっくりと口に含んでみると・・・とろりとした舌触りに濃厚な、まるで金平糖のような甘みが広がります。
余韻はとても長いのですが甘ったるくはなく、次第にタンニンのような心地よい柑橘系の渋みもほのかに感じられ、口の中での味わいの変化も楽しめます。(本文より)
今回は料理家であり、利き酒師でもあるむらきじゅんさんに「東の麓酒造 純米大吟醸酒 熊野のしずく」をお試しいただきました。さすが利き酒師!お酒を楽しむ極意が満載です。ではさっそくご覧ください!
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こんにちは!料理家で利き酒師のむらきです。
この度、旬にこだわり安心安全で上質な日本全国の美味を集結したカタログギフトのパイオニア、リンベルさまの「山形の極み」、美味しい日本酒の試飲とレシピのご提案という、とても嬉しいレポートをさせていただくことになりました!
今回ご紹介するのは山形県・吾妻連峰の麓、古くから銘醸地として知られる置賜盆地の酒蔵、東の麓酒造さまの「熊野のしずく」。
リンベルさまとの共同開発で生まれたというこの純米大吟醸酒は、出羽の里と蔵の華を掛け合わせた新種の酒米「雪女神」を、40%まで精米して“しずく取り”製法で作られた贅沢なお酒です。
“しずく取り”とは、醪からお酒となる液体を搾る際の特別な製法で、通常なら“槽”と呼ばれる箱の中に敷き詰めた醪を上から圧力をかけて搾るのですが、“しずく取り”は酒袋に入れた醪を上から吊るして自然に滴り落ちる液体を集める、時間もかかる上に少量しか取れない大変贅沢な手法です。
さらにこの「熊野のしずく」、2018年には世界最大のワイン品評会IWC(インターナショナルワインチャレンジ)の日本酒部門で金メダルを獲得するなど、世界的にも注目を集めているお酒なのです。
事前にこれらの情報を調べていたので、日本酒が届くのがとても楽しみで!はやる気持ちを抑えながら包装紙を開けると、こんなに立派な箱が登場。
蓋を開けると、今度はシックな黒いボトルが現れました。
通常の日本酒には珍しい瓶の口部分の留め金が、なんとも高級感を醸し出しています。同梱されているしおりには、「熊野のしずく」の美味しさの秘密が書かれていました。
早速、ワイングラスに注いでみます。
純米吟醸、純米大吟醸のような、香り高くて繊細な飲み口のお酒は、ぜひ香りをより感じられるワイングラスでいただくことをお勧めします。ワインのように、香りも味わってみてくださいね。
グラスを傾けると、滑らかな液体からシルクのような口当たりが想像できます。
私もまずは香りから。上品で、清涼感のある華やかさ!
ひと口、ゆっくりと口に含んでみると・・・とろりとした舌触りに濃厚な、まるで金平糖のような甘みが広がります。
余韻はとても長いのですが甘ったるくはなく、次第にタンニンのような心地よい柑橘系の渋みもほのかに感じられ、口の中での味わいの変化も楽しめます。
米由来の旨み、甘味からなる奥深い複雑味、それらが見事に調和された味わいは、食中にというよりは、食前にインパクトのあるアミューズと、または食後にデザートと一緒に、もちろんそのまま食後酒として単体で、というのがおすすめです。
また、個性的なスパイスなどとの相性も抜群かと思います!
今回は、この香り高い日本酒の美味しさを損なわず、より一層美味しさを引き出してくれるような2種のレシピを考案しましたので、ぜひお試しくださいね。
【金柑のコンポートとクリームチーズのクロスティーニ 山椒の香り】
<材料>
《金柑のコンポート》
金柑・・・150g
甜菜糖・・・35g
生姜・・・ひとかけ 千切り
レモン汁・・・小さじ1/2
《クロスティーニ》
バケットスライス・・・数枚
金柑のコンポート・・・適量
クリームチーズ・・・適量
山椒の粉・・・少々
<作り方>
⑴金柑はヘタを取り、横に3〜4等分に輪切りにする。
⑵その他の材料と一緒に小鍋に入れて軽く混ぜ合わせ、弱火にかけてふつふつと湧いてきたらそのまま5分ほどとろりとするまで煮詰める。
⑶カリッとトーストしたバケットにクリームチーズ適量を塗り、金柑を乗せて山椒粉を振る。
山椒粉がアクセントとなり、甘さと刺激がついつい後を引くアミューズ。
熊野のしずくの甘味とも良く合います!
もう一つ、見た目も華やかな一品を。
【帆立の黄身酢オレンジ風味】
<材料>
帆立貝柱(大きめのもの)・・・4個
*卵黄・・・1個
*マスカルポーネチーズ・・・15g
*塩・・・小さじ1/4
オレンジ果汁・・・大さじ1
飾り用いくら、オレンジスライス、フレッシュタイム・・・各少々
<作り方>
⑴帆立全体に軽く塩(分量外)を振り、10分ほど置いて流水で流し、よく水気を拭き取ってから冷蔵庫で冷やしておく。
⑵小さなボウルに*の材料を入れてよく混ぜ、オレンジ果汁を加え湯煎にかけて混ぜながら、2分前後とろりとしてくるまで火を入れる。
⑶火から下ろしたらラップをして冷蔵庫に入れて冷やす。
⑷帆立に黄身酢をたっぷり乗せ、オレンジスライスといくら、タイムを飾る。
こちらは本来お酢と卵黄で作る和食の黄身酢を、オレンジ果汁を使って香り良く仕上げたアレンジ。マスカルポーネチーズがよりコクとまろやかさを演出してくれ、日本酒の味わいの丸みに寄り添ってくれます。
凝っているように見えてとても簡単なので、ぜひお試しくださいね。
こんな贅沢なマリアージュを堪能できて、なんて幸せな昼下がり!
日本酒の好きなご両親さまに、お世話になった恩師に、センスのいい友人ご夫妻に。
必ず喜ばれるこんな日本酒ギフトはいかがですか。
もちろん、何かの節目のご自身へのご褒美にも!
ちょっと気持ちが上がるギフトの一つとして、ぜひ選択肢のひとつに留めてみてくださいね。
【プロフィール】
むらき じゅん
料理家・唎酒師
パリでフレンチを学び帰国後、横浜の自宅にて料理教室“Super Beauty Recipes”主宰。目にも美味しく、美容と健康と環境に優しいレシピと、サスティナブルな食&ライフスタイルを提案。現在はおもてなし料理のほか、毎日の暮らしに役立つ家庭料理、ひと手間でおうちご飯がもっと美味しくお洒落になるレシピを配信するオンラインレッスン が人気。ワインや日本酒とのマリーアジュレシピも得意とする。その他雑誌・メディアへのレシピ提供、企業のレシピ開発などを行う。