甲羅を開くとこれまたたまらないビジュアル。
それにしても味噌がたっぷり入っていて、そのままスプーンで食べたい衝動にかられますね(笑)
まずはそのままいただいてみます。蟹棒ですっと外れた身はしっかり詰まって食べ応えがありそう。口に入れると、瑞々しい旨味と甘みが広がります。わぁ、なんて美味しいんでしょう!
その後はしばし無言になりいただきました
(本文より)
今回は初登場となる岡嶋美香さんに、「北海道根室産 活けがに」をお試しいただきました。期間限定の特別なお取り寄せだからこそぜひつくってみたいハレの日レシピも2品ご披露頂いております。カニの捌き方もしっかり学べますよ。では、さっそくご覧ください!
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こんにちは!料理家の岡嶋美香です。川崎市で料理教室イル・レガーメを主宰しております。
この度「日本の極み」シリーズ北海道根室の「活毛ガニ」を試食させていただきました。
私は兵庫県出身なのですが、蟹は父の好物で冬になると毎年連れだって日本海へ食べに行った思い出があります。
また父が仕事柄蟹をもらってくることも多く、子供の頃から母が捌くのを見ていましたがそれらは大抵ズワイガニ。活けの毛蟹は初めてで楽しみに待っていました。
贅沢な毛蟹の風味を存分に味わえるよう調理しましたので、早速レポートさせていただきます。
商品はこのように鮮度が保たれた状態で届きました。
開けてみると蟹がわずかに手をのばしてきてぎょっとなりましたが、とても美しい蟹が詰められていました。
箱の中には商品の説明と茹で方の案内が入っています。
「根室の極寒の海は豊富なプランクトンや海藻に恵まれています。その環境で育った蟹は身が引き締まって、とろけそうなほどの甘み、濃厚な旨味に包まれている」とのこと。旨味の濃度がひと味もふた味も違うなんてますます期待が高まり、早速説明通りに茹でてみることにします。
まずは蟹を流水で綺麗に洗います。
説明書に従って寸胴鍋にお湯を沸かし、3%の塩を入れて蟹を甲羅から入れます。
我が家の5Lのお鍋で3杯の蟹がちょうど茹でられました。
再沸騰したら蟹が水面から出ないように鍋蓋をし、弱火と中火の間で20分茹でました。
鍋蓋はお鍋のサイズにあえば木蓋でも、お皿でも良いと思います。
茹で上がりはこちら。黒ずみのない綺麗な状態で茹で上がりました。
蟹はここからが大変。でも美味しい蟹をいただくために頑張りますよ~!
出刃包丁、蟹棒、キッチン鋏を用意して捌いていきます。
まずは甲羅を下にし、ふんどしと呼ばれる3角の部分を取ります。
足と爪を包丁で切り落とし、関節に分けて切ります。
足はキッチン鋏で切るか、裏側を包丁で削ぐように切ります。表側より裏側の方が柔らかいので、裏側に包丁を入れてくださいね。
ぷりぷりの身がいかにも美味しそうです!
そして甲羅を開くとこれまたたまらないビジュアル。
エラさえ美しく見えますが、ここは食べられないので外します。それにしても味噌がたっぷり入っていて、そのままスプーンで食べたい衝動にかられますね(笑)
口にしたいのを我慢してお皿に並べてみました。
お客様が来られるときにはこんな盛り付けでいかがでしょう?
まずはそのままいただいてみます。蟹棒ですっと外れた身はしっかり詰まって食べ応えがありそう。口に入れると、瑞々しい旨味と甘みが広がります。わぁ、なんて美味しいんでしょう!
その後はしばし無言になりいただきましたが、毛蟹を使ったお料理も作りましたのでご紹介させていただきます。
毛蟹のちらし寿司
<材料 2人分>
(すし飯)
米・・・1合
A)酢・・・ 大さじ1と1/2
A)砂糖・・・ 大さじ1
A)塩 ・・・小さじ1/2
(毛蟹)・・・1杯分
(錦糸卵)
卵・・・1個
B)酒 ・・・小さじ1
B)塩・・・ ひとつまみ
油・・・適量
(酢蓮根)
蓮根・・・5~6cm
C)酢・・・ 大さじ3
C)砂糖・・・ 大さじ1と1/2
C)塩・・・ひとつまみ
(大根と人参の甘酢)
大根と人参・・・各2cm
D) 酢 ・・・大さじ1と1/2
D)砂糖・・・・ 大さじ1
D)塩・・・ ひとつまみ
D)水 ・・・大さじ1
(干し椎茸の旨煮)
干し椎茸・・・3枚
E)砂糖 ・・・小さじ1
E)醤油・・・ 小さじ1
(その他材料)
菜の花・いくらの醤油漬け・芽葱・・・適量
<作り方>
①米は洗ってざるにあげ、30分ほど吸水させてから炊飯器で炊く。炊きあがったごはんを大きめのバットなどに広げ、混ぜ合わせたAを回しいれる。しゃもじで切るように混ぜ、うちわであおいで人肌まで冷まし、ふきんをかぶせておく。
②錦糸卵を作る。卵をボウルに割り入れ、Bを入れて混ぜる。ざるで漉してからフライパンで焼き、細切りにする。
③蓮根は皮を剥いて薄く切り、酢水に漬ける。Cを鍋に沸かし、水を切った蓮根を入れてさっと煮る。
④大根と人参は皮を剥いて薄く切り、茹でてDの甘酢に漬ける。
⑤干し椎茸は水で戻し、薄切にする。鍋に椎茸とかぶるくらいの戻し汁、Eを入れて煮る。
⑥菜の花は塩茹でして食べやすい大きさに切る。
⑦器に酢飯を敷き、椎茸の旨煮・錦糸卵・蟹の身をのせる。間に酢蓮根、大根と人参の甘酢、菜の花、いくらの醤油漬け、芽葱を散らす。
毛蟹で贅沢なちらし寿司、ひな祭りやお祝い事にいかがですか?次は洋風にアレンジ。毛蟹によくあう食材でサラダにしてみました。
毛蟹と苺 チコリのサラダ
<材料 5人分>
毛蟹・・・足3本分
苺・・・5粒
チコリ・・・1/2個
セルフィーユ・・・適量
(ドレッシング)
シェリービネガー・・・大さじ1
レモン果汁・・・小さじ2
オリーブオイル・・・大さじ2
塩・・・小さじ1/6
白コショウ・・・適量
<作り方>
①毛蟹は身をほぐし、苺はへたを取って半分に切る。チコリは一枚ずつ外し、7枚用意する。5枚は器として使い、2枚は食べやすい大きさに切る。
②ボウルにドレッシングの材料を入れて混ぜ、蟹と苺、切ったチコリを入れてさっと和える。
③チコリを器にして②の具材を盛り、セルフィーユを添えて仕上げる。
甘くてミネラルたっぷりな蟹とほのかな苦みを感じるチコリ、苺のジューシーな酸味をアクセントにしたサラダです。取り分けやすいサラダはパーティーにもぜひ作っていただきたい1品です。
3杯の蟹は存分に楽しめる量でしたので、こんな一品も作ってみました。菊芋のムースに蟹とりんごをあわせたものですが、菊芋の優しい風味にも蟹はよくあいます。どんな風にしても美味しい蟹を堪能させていただきました。
皆様もぜひ様々にアレンジして楽しんでください。
プロフィール
岡嶋 美香
料理家、フードクリエーター。
シエナ料理学院でイタリア料理を学んだ後、現地リストランテWalter Ridaelliでスタージュとして勤務。帰国後イタリア料理教室を主宰。2008年から2015年にタイ・中国に住まいを移して現地の料理を学び、中華人民共和国認定高級茶芸師、点心技師、調理師の資格を取得。またJSAソムリエの資格も持つ。現在は季節ごとにテーマに沿った料理教室「イル・レガーメ」を主宰する傍ら、企業様のレシピ開発や料理画像提供、ワインと料理をテーマにしたコラム執筆、出張料理、料理イベント等幅広く活動中。