ひと口でバター、アーモンド、キャラメル、チョコレートのさまざまな味わいを楽しめるのです。
キャラメルをクッキーに挟む意味、チョコレートで包む意味、粉末アーモンドを加える意味。
すべて意味がある素材と手間によって、このキャラメルサンドが完成されているのだなとしみじみ感じました。(本文より)
今回、グルメライターの猫田しげるさんに試食いただいたのはキャラメルサンド。お肉やお酒、お漬物など、いつも的確な評価やコメントが好評の猫田さんに、初めてスイーツの試食をお願いしてみました。ぜひご覧ください。
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こんにちは。ついひねくれたコメントを言いたくなるグルメライターの猫田しげるです。
今回ご紹介するのは「山形の極み キャラメルサンド」。毎回何か言わなきゃ気が済まない私なので、またもや「キャラメルを挟んだクッキー……。合うの?? 別々に食べたら?」などと斜に構えてしまいました。
どうしても「キャラメル=舐めていくうちに口の中で溶けるもの」というイメージがあります。
クッキーの食感と調和するのでしょうか。
と言いつつ、やはり箱がおしゃれなリンベルの極みシリーズ。
イラストやロゴのデザインに心くすぐられてしまうんですよね。
中身もシンプルかつ洗練されたパッケージです。
実はこのお菓子、山形の「ESCARGOT(エスカルゴ)」というお店が作っている商品。
同店は窯焼きのピザなどが自慢のイタリア料理店で、ランチタイムは平日でも満席になるほど人気だとか。スイーツにも力を入れていて、本店でケーキや焼き菓子も販売するほか、スイーツに特化した支店もあるそうです。
そんなお店が作るキャラメルサンド。「山形の極み」を冠しているからには、ほかのお菓子とどう違うか、しっかり確かめたいと思います。
まず焼き色。濃い色と薄い色があり、「違う味なのかな?」と思ったのですが、はたと気付きました。手作業で1枚1枚焼いているので、すべて同じ色にはならないのです。
大きさも少しばらつきがあり、かえってそれがこの商品への安心感を高めています。工場での大量生産ではこうはいきません。職人さんが1枚ずつ、焼いてフィリングをサンドして……という光景が目に浮かびます。
おいしいクッキーのオキテ①「重い」
私の持論ですが、クッキーがおいしいかどうかは持ってみて分かると思うのです。添加物で変に膨らませたりせず、みっちり詰まった生地を焼き上げたクッキーはずっしりしています。
この「山形の極み キャラメルサンド」も、大きさからは想像できないほど重量があり、分厚いです。
おいしいクッキーのオキテ②「バターが指に残る」
さらにクッキーがおいしいかどうかは、触ると分かります。みなさんも、高級なクッキーを手で触ってみてください。指にバターが残りませんか? 生地にたっぷりバターを練り込んだり、仕上げにバターを塗っていたりと、素材を惜しまない姿勢がそこに表れると思うのです。もちろんバターを使わない種類のクッキーもあるので一概には言えませんが……。
この「山形の極み キャラメルサンド」もバターがたっぷり使われています。しかも、使われているのは発酵バターなのだとか。
発酵バターはヨーロッパでは主流で、料理やお菓子に用いると風味やコクがアップするとされています。遠心分離機を使う非発酵のものと違い、生クリームに乳酸菌を加えて発酵させるので、ほのかな酸味があるのが特徴。ただ保存性が低く劣化しやすいので、扱いが難しいのだそうです。
検品(?)はこのぐらいにしておいて、実食してみます。
ひと口噛むと、サクッとした軽やかな口当たりのあとに、ほろっと崩れる食感。小麦粉とバターだけではない、独特の香ばしいフレーバーが広がります。
「これは!」とピンときました。そう、アーモンドです。聞くとやはり、生地にアーモンドの粉末を加えているのだそう。今はやりのソフトクッキーではなく、しっかり固めに焼き上げてあるのが私としては好ましいです。
そして中にはキャラメルと、チョコレート。
裁断してみると、キャラメルをチョコレートでコーティングしてあり、何と手間のかかること……と感嘆してしまいました。
キャラメルはクリーミーな口どけで、チョコレートのなめらかな食感とよく調和しています。
ふたつのとろける味わいがサクサクのクッキーにサンドされ、ひと口でバター、アーモンド、キャラメル、チョコレートのさまざまな味わいを楽しめるのです。
キャラメルをクッキーに挟む意味、チョコレートで包む意味、粉末アーモンドを加える意味。
すべて意味がある素材と手間によって、このキャラメルサンドが完成されているのだなとしみじみ感じました。
手で割ってみると、やわらかなキャラメルがとろりと出てきます。
冷蔵庫から出して、まだ少しひんやりしているうちにいただくのがオススメです。
コーヒーとの相性も抜群ですが、普段は飲まない紅茶と合わせてみても、キャラメルの風味ととてもマッチしていました。
ひねくれグルメライターとしてはいつも何かにケチをつけたくなるのですが、毎回リンベルさんには「やられた……」と思うのです。
今回も、母の日に贈ろ~♪ と購入ページをチェックしている自分がいました。
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いかがでしたか? 細部まで丁寧にこだわって作られたクッキーであることが存分に伝わってきたのではないでしょうか。贈り物や手土産はもちろん、ちょっとぜいたくなティータイムにもおすすめです。ぜひお試しくださいね。
猫田しげる
食関係の編集ライター。タウン誌、グルメ情報誌、レシピ本、新聞の地域情報版などの媒体で15年以上取材執筆。美味しいものからちょっと変わったものまで、食に関するあらゆることを愛し、日々発信中。