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カタログギフトのリンベルが日本中から厳選した逸品を、美食のプロがテイスティング

「石川県産 活 加能がに」グルメライター・猫田しげるさん

 なんともプリプリの弾力! カニの身も、カニにとっては“肉”なんですね。しっとり水気があって、若くて肉質の良いカニは、高級肉に匹敵するほどの食べ応えなのだと思い知らされました。肉汁ならぬカニ汁があふれてきます。

特にミソは甘く濃厚で、まるでフォアグラのようです。

(本文より)

 

グルメライターの猫田しげるさんに「日本の極み 石川県産 活 加能がに」をご試食いただきました。そういえば猫田さんは北海道のご出身……と、ご依頼したあとに思い出しました。猫田さんと加能がにのご対面。ぜひ最後まで見届けてください。

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カニ、それは最も人を無言にさせる食べ物。
殻をむく作業に没頭するのはもちろんですが、美味しすぎて会話よりも食べる方を優先させるという理由もあるのではないでしょうか。

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ところで私は北海道出身です。道民で「カニで一番好きなのは毛ガニ!」という人は多く、私もその一人。地元で獲れるため比較的安く手に入るし、何よりミソが美味しい。なので、タラバよりズワイより毛ガニなのです。

……という、道民で毛ガニが大好きな私に届いたのが「日本の極み 石川県産 活 加能がに」。
北陸の金沢港や輪島港で水揚げされるズワイのオスのうち、9cm以上の高品質なものだけが認められる高級ブランド。ズワイガニの漁期は一般的に11月6日から3月20日までで、この時期には地元の市場でも高値で販売されます。

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何よりも私を戸惑わせたのは、このカニが「活きている」ということです。
活ガニです。ヒゲがピクピクと動いています!

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独身一人暮らしの我が家に、活きたカニが登場する機会なんて滅多にありません。
「捌くのか? これは試練か!?」と戦闘態勢の私に、カニも不安そうな表情です。

冗談はさておき、説明書を見てみると、丁寧に捌き方が書いてあるではありませんか!

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実は私はカニの漁師や市場を取材したことがあるのですが、どの業者に聞いても断言するのは「カニは活が一番美味しい」ということ。冷凍はどうしても「いつ獲れたのか、いつから冷凍しているのか」が明確にされない場合が多いので、できるなら「贈る時は活の状態で、家でゆでてほしい」と言うのです。

さて、ついに「カニ解体の儀」開始。
まずはカニをたわしで綺麗に洗います。ちなみにこの黒いブツブツは「カニビル」という生き物の卵で、これが付いているのは身入りの良さの目安になるのだとか。

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鍋に塩ひとつまみとカニが全身つかるぐらいの水を入れ、「美味しく食べるから成仏してね」と手を合わせてからカニを投入。水からゆでることで脚が取れにくくなるのだそう。

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沸騰してから約20分で取り出し、冷まします。解体にはハサミと包丁を用い、胴体の裏のふんどし(下の三角の部分)と上の口を指で取り除き、脚をつかんで甲羅から外します。

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脚の付け根の肩の部分と脚を包丁で切り分け、脚はハサミで殻を取り除きます。
肩に残ったミソを甲羅に集めて……見事にカニの姿盛りが完成しました!

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初の活ガニ解体、実際こんなに上手くできるとは自分でも驚きです。
丁寧な説明書とリンベルさんのこの動画のおかげです。カニ経験値が上がりました。

捌いただけで満足してはいけません。肝心の実食です。
脚に身がぎっしり詰まっており、さすがズワイガニの高級ブランドという威厳を感じさせます。

カニスプーンで身をかき出します。夢中になって無言になってしまいますが、誰もいないので当然です。カニとは一人で食べるべきものなのかもしれません。

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見てくださいこのミソ! 口に含むと舌の上とろけ、人間の味覚で最も美味しいと感じる味ではないかと思うほどの濃厚な旨味です。カニ独特の海の香り。飲み込んだあとも鼻にいつまでも残ります。

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かき出した身をそのまま食べてみると、なんともプリプリの弾力! カニの身も、カニにとっては“肉”なんですね。しっとり水気があって、若くて肉質の良いカニは、高級肉に匹敵するほどの食べ応えなのだと思い知らされました。肉汁ならぬカニ汁があふれてきます。

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脚の肉もぎっしり詰まっています。そのままでも塩気があって美味しいのですが、ポン酢に付けていただくとまた絶品。柚子ポンズなど、柑橘系のものに非常によく合います。

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そうそう、加能がには甲羅の中にある白子がまた美味しいんです。見えますか? この白いツブツブ。ミソと合わせていただくとさらに風味がアップします。ご飯にのせても美味しいですね。

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カニの王様=毛ガニだと思っていたのですが、毛ガニは毛ガニであっさりした身が特徴であり、ズワイはズワイで食感のみずみずしさが際立っています。
特に、加能がには肉と同様、身から旨味たっぷりの汁が滴り、「ジューシーなカニ」と表現してもいいくらいです。特にミソは甘く濃厚で、まるでフォアグラのようです。

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以前、市場で「人に贈るなら活ガニがいいよ」と言われるたび、「活きたまま贈られても困るのでは」と心の中で反論していた私ですが、こんなに簡単に捌くことができて、しかもゆでたての新鮮な美味しさがすぐに楽しめるのなら、断然活ガニの方が良い! と考えを改めました……。このリンベルの食レポで毎回先入観を覆されている気がします(笑)。

オマケの話ですが、カニをゆでた時のゆで汁、カニのエキスがたっぷり出ていてあまりにも美味なので、残しておいて鍋や味噌汁に使いました。
たくさんの感動を与えてくれたカニさんに感謝です!

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いかがでしたか? 初めてとは思えないほど、見事に捌いていましたね。写真からも伝わる、ぎっしりと詰まった身やミソを、猫田さんは“高級肉”や“フォアグラ”と表現しています。一尾で高級食材がたくさん味わえるなんて、加能がにはぜいたくな逸品ですね。

 

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猫田しげる

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食関係の編集ライター。タウン誌、グルメ情報誌、レシピ本、新聞の地域情報版などの媒体で15年以上取材執筆。美味しいものからちょっと変わったものまで、食に関するあらゆることを愛し、日々発信中。