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「寿虎屋酒造 梅酒」グルメライター・猫田しげるさん

ひと口目にして「おおお…」と感嘆してしまいました。
梅酒って「甘すぎる」「お酒の味がしない」「梅の味がしない」のどれかだと思っていたのですが(飲んでいたのがあまり高級ではなかったのでしょうか)、この梅酒は日本酒そのものの味も、梅の酸味や香りも、ほのかな甘さも、すべてバランスよく兼ね備えているのです。

(本文より)

 

グルメライターの猫田しげるさんに「山形の極み 寿虎屋酒造 梅酒」をご試飲いただきました。久しぶりの猫田さんのお酒レポート。今回は梅酒です。ぜひ最後までご覧ください!

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もともとはそんなにお酒好きではなかった私ですが、歳とともに日本酒やワインにハマっていき、今では365日ノン休肝で飲んでおります(自慢することではありませんが)。

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その私が最も飲む機会が少なかったのが「梅酒」。正直言うと「ホワイトリカーに梅漬けただけでしょ」とたかをくくっていたフシがあります。相変わらず斜に構えた性格ですね。

そんな私にまたもや挑んできました、リンベルの「山形の極み 寿虎屋酒造 梅酒」。
出ました、『寿虎屋酒造』です。以前、この酒造の甘酒を試飲させていただいたのですが、精米歩合55%の純米吟醸酒を造る工程の米麹を、お酒にせずに甘酒にしてしまったという、非常に贅沢な逸品でした。

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梅酒の原料は「梅」「アルコール」「氷砂糖」。アルコールは一般的なのはホワイトリカーですが、他にも、焼酎、泡盛、ブランデーなどを使う場合も。さまざまな種類を使って作ることができます。ただ、ホワイトリカーは砂糖を絞ったあとの廃糖蜜や粗留アルコールを蒸留して作られた、風味の弱いアルコールなので、私のような酒好きには物足りないかもしれません。

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さて『寿虎屋酒造』のこの梅酒、堅いことは抜きにして早速飲んでみましょう。

アルコール度数は12度と高めなのでロックでいきます。
グラスに注ぐと澄んだ琥珀色。最初のひと口目だけでも、しっかりお酒の味が感じられます。まろやかで角のない、重厚感のある日本酒の味です。そうして口の中で転がすうちに、濃厚な梅の香りが鼻に抜け、甘ったるくない、自然な甘みが広がります。

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ひと口目にして「おおお…」と感嘆してしまいました。
梅酒って「甘すぎる」「お酒の味がしない」「梅の味がしない」のどれかだと思っていたのですが(飲んでいたのがあまり高級ではなかったのでしょうか)、この梅酒は日本酒そのものの味も、梅の酸味や香りも、ほのかな甘さも、すべてバランスよく兼ね備えているのです。

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なんでも、お酒は山形県産酒造好適米と酒造の井戸から湧く蔵王山系伏流水で醸した日本酒原酒、梅は高級品種「しらかが梅」、しかも氷砂糖まで国産有名ブランドの大粒ブロックタイプ……と素材すべてにこだわっているそうです。

忘れてはいけないのが、梅を洗う「水」だって、原料の一つだということ。
「山寿虎屋酒造 梅酒」は、梅の実を1粒1粒傷つけないよう丁寧に軸を除いたあと、酒造の井戸から湧くきれいな水で洗浄し、水を切り、乾燥させて漬け込む……と、全行程において手抜かりはありません。

ちなみに大粒の氷砂糖を使う理由は、大きいほうがゆっくり溶け出し、梅の実のエキスが長時間かけてじっくり抽出されるためだとか。
酒蔵で11カ月間貯蔵したのち、初めて製品化されるのだそうです。

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ロックの次はストレートで飲んでみます。
すっきりした甘さなので、食前酒に最適です。梅本来の酸味もしっかり残っていながら、雑味が全くないので、どんな料理にも合いそうです。

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次は自家製ソーダマシンで作った炭酸水で、ソーダ割りにしてみました。
梅酒を多めにして大人の梅酒ソーダに。これは杯が止まりません。夏はミントを浮かべても爽やかですね。

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しかし、『寿虎屋酒造』の製品にはいつも驚かされます。
酒造であるからには、「お酒」と名のつくものに絶対に手を抜かない、職人意識とプライドを感じさせます。

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この梅酒、私は食後のデザート感覚で、ストレートで飲んでいます。
ほどよい甘さで、ボディもしっかりしたお酒の味も楽しめ、ほろ酔い気分で眠れる……。と、またお酒の量が増えていくのですが、おいしく味わっているのでヨシとしましょう。

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いかがでしたか? ロック、ストレート、ソーダ割りと、どんな飲み方でも極上の味わいが楽しめる、寿虎屋酒造のこだわりがたっぷり詰まった梅酒だということが伝わってきましたね! 甘いお酒が好きな方はもちろん、普段は日本酒などを飲んでいる方にも、ぜひ味わっていただきたい逸品です。

 

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猫田しげる

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食関係の編集ライター。タウン誌、グルメ情報誌、レシピ本、新聞の地域情報版などの媒体で15年以上取材執筆。美味しいものからちょっと変わったものまで、食に関するあらゆることを愛し、日々発信中。