芋煮を食べたことがある方には、手軽に懐かしい味を再現できるもの。芋煮を食べたことのない方でも簡単に本場の味を楽しめると感じました。
下ごしらえがいらないので、高齢でなかなか作れなくなった方への贈りものとしても、とても喜ばれそうです。
(本文より)
日増しに寒くなる日本列島。「今日の晩御飯はお鍋!」というご家庭が増えてきたのではないでしょうか。そんな時期にぴったりの商品、「山形芋煮セット」をご紹介します。
試食していただいたのは「料理教室IMAGINER」を主宰する伊藤くみ先生。これまでに延べ11,000人以上の生徒さんがレッスンに参加したそうです。それ以外にも、フードスタイリスト・雑誌のレシピ開発などで活躍されている伊藤先生のレポートとレシピをどうぞお楽しみください。
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こんにちは。料理家・フランス家庭料理研究家の伊藤くみです。
今回は、日本最大のカタログギフト『リンベル』様の「日本の極み 山形芋煮セット」を試食させていただきました。
実は、私は山形県山形市の出身で、芋煮はソウルフードです。
あ~あの味がおうちにキットで届くのね、と勝手知ったる気分で待っておりました。
それがそれが、、、、、調理して、驚くことになりました。
まずは、「芋煮」とはどんな料理でしょうか?
毎年9月の上旬に、ニュースで取り上げられるのが「日本最大の芋煮会」。これは山形市の馬見ヶ崎河原に置かれている、巨大な鍋で、約3万食の芋煮が作られるフェスティバルです。大鍋は、新車のショベルカーをお玉に見立てて、作られるほどのスケールです。それくらい、山形に根差した秋の味覚です。芋煮の具材は、県内でも地域によって、若干違います。山形市の芋煮は「里芋、こんにゃく、牛肉、長ねぎ」です。少し甘辛い出汁醤油で煮た、すっきりした味わいは小料理屋風の上品さです。
どんなキットなのか楽しみに待っていると、予想よりやや大きめの箱が届きました。
「かわいい~!」。包みを開けると、これはまさに河原にある大鍋と同じ、昔ながらの鍋が側面にプリントされています。懐かしいなぁと、にんまりしてしまいました。
さらにふたを開けると、なんだかお鍋の中に材料が入っているように見えます。
なんて気の利いた、オシャレなパッケージでしょうか。
中身はすべて山形産の食材が入っています。キットなので使い切りなのが嬉しいですね。
里芋の皮はむいてあって、真空パックになっています。実は山形では、「むき芋」がふんだんに売っていて、鍋に入れるだけの手軽さなのがとてもいいのですが、なかなか違う地域では販売されていません。柔らかそうで、大きな里芋がゴロゴロ入っています。皮をむく手間がないのは、かなり嬉しいです!
そして、ハッと目を奪われたのは、牛肉です。よく読むと、A4ランク以上の山形牛肩ロースしようと書いてあります。わぁ、、、立派です。はっきり言って、自宅で芋煮をするときに、こんなにいいお肉を入れたことはありませんでした。サシの入り方が均一で美しく、これは絶対おいしい!と期待が膨らみます。
作り方は詳しい手順書がついているので、その通りに鍋に順番に入れていきます。
味付けも心配ご無用です。「味のマルセン大名」という合わせ調味料がついています。
さぁ、早速調理します。
「いも煮の作り方」という案内の通りに順番に火にかけます。切るのは、里芋の大きいものを切り分けるのと、ねぎを斜め切りに。こんにゃくは手でちぎります。
まずは里芋、こんにゃく、水、ごく少量のたれで煮ていきます。
こんなに大きな里芋ですが、15分ほど煮るとすぐにやわらかくなりました。「つるり芋」という、山形県西村山地域でのみ生産される希少な里芋で、ねっとりとした粘りと旨味が特徴の新ブランドだそうです。他の里芋よりも早く火が通るというのも、嬉しいですね。
しめじとたれを加えます。お好みの量とありましたが、この分量に100㎖くらいが、私としてはちょうど良い感じです。全量入れずに、少しずつ加えるのが良いようです。
よい香りがして、芋煮気分になってきました。
さて、里芋がしっかりやわらかくなったら、牛肉の登場です。牛肉を加えて出汁を取り、さらに長ねぎを加えて味わいが決まるので、そのあとに微調整するのが、芋煮の鉄則です。
やっぱりお肉が立派です!スープもぐっと濃くなっているようです。
最後にねぎを加えて完成です。
この牛肉が立派でまるですきやきと見まごう雰囲気。これは贅沢です!
<レシピ>
いも煮 (3~4人分)
【材料】
里芋 500g
山形牛肉 250g
ぶなしめじ 150g
ねぎ 1本
こんにゃく 1枚
いも煮用たれ 100㎖
【作り方】
*里芋は袋から出してよく水洗いする。
1)こんにゃくは里芋と同じくらいの大きさにちぎる。しめじは石づきを取ってねぎは斜め切りにする。
2)鍋に里芋、こんにゃく、いも煮用たれ10㎖、水を1200㎖入れて火にかける。
3)泡とあくを取りながら煮て、里芋がやわらかくなったら、しめじを加えて、いも煮用たれを加えます。
4)煮立ってきたら牛肉を入れて4~5分煮て、長ねぎを入れたら火を止める。完成。
盛りつけると、里芋がつるりとして、おいしそうです。
早速いただきました。まずはねっとり柔らかい里芋にびっくり。煮崩れることなくきれいな形なのに、しっとりなめらかで味がしみています。
そして何より、このスープがたまりません。牛肉の出汁がでた優しい醤油風味は、誰もが好きなお味で、何杯でもおかわりできそうです。添付の「味のマルセン大名しょうゆ」だけと思えない、旨味たっぷりの品のよいお味です。
そこで、アレンジメニューを思いつきました。
このスープをさらに楽しむために、「焼きおにぎり茶漬け風」にしてみました。薄い醤油味の焼きおにぎりを作り、芋煮のスープに浸して、崩しながらいただきます。あしらった柚子皮と、焼きおにぎりの香ばしい香りがよく合って、サラサラといただけるので、〆にぴったりでした。
そう、山形の芋煮は鍋料理ですが、〆に何か入れる…という習慣がないので、これはなかなかよい組み合わせかもしれません。
新鮮で上質な素材をキットにしているこの「山形芋煮セット」は、ワンランク上の味を楽しめる商品でした。芋煮を食べたことがある方には、手軽に懐かしい味を再現できるものですし、芋煮を食べたことのない方でも簡単に本場の味を楽しめると感じました。下ごしらえがいらないので、高齢でなかなか作れなくなった方への贈りものとしても、とても喜ばれそうです。
地方の行かなくとも、本物の味を楽しめる体験は、真心を感じるギフトの一つです。
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プロフィール
伊藤くみ
料理研究家・フードスタイリスト
「料理教室IMAGINER」(東京都渋谷区)を主宰。「身体に優しく、おいしい、笑顔あふれる食卓をご自宅に」をコンセプトに、再現しやすいフランスと日本の家庭料理をご紹介。24年目の教室には、のべ11000人以上が参加しました。オンラインレッスン、動画レッスンも実施。フードスタイリストとして、企業・メディア・雑誌のレシピ開発、商品開発、店舗のメニュー提案、料理撮影スタイリングなどを積極的に行う。
ホームページ https://itokumi-foodie.com/
Instagram https://www.instagram.com/kumiito/