今から300年以上前、大洪水に見舞われ、現在の紅柿の産地である上山地区も泥水に浸かってしまいました。
水が引いた後、当時の関根の庄屋・川口久右衛門が、川に溜まった泥土とごみをさらい、小屋の前に積み上げておいたところ、赤い鳥がやってきて、その泥土の山のそばで遊んでいたそうです。
しばらくし、その山から芽生えた小さな柿の双葉を久右衛門が大切に育てたところ、いつしか紅い立派な柿の実を結ぶようになりました。
しかしその味はあまりに渋く、そのままでは食べられなかったそうですが、上山に沸く温泉の湯に漬けたところ(※)、その渋みがすっかりとれ、驚くほど甘い柿に生まれ変わったので、上山城のお殿様に献上したところ、その美味にお褒めの言葉をいただき、そのときに「紅柿」という名を賜り、以降その柿を「紅柿」と呼ぶようになったそうです。
※かつては、上山温泉で渋抜きをして売られていたそうです。